満月の日
「早くしろ!!」




しかし、ハードの真剣な態度に彼女は顔をしかめた。




「たくっ!!どうなっても知らねぇからな!!」




リンが地面に手をついた時、ハードの足場から水柱ができ、ハードはキン目掛けて曲刀を振り下ろした。




「うわぁ!!」




ザン!!




キンの悲鳴と、右腕に斜めの傷が出来たのとほぼ同時だった。




しかし、羽があるキンは紙一重でかわし、夜空に飛び去った。




「くそっ!!この仕返し、いつか必ず返してやる!!」




と言う言葉を残して。




ハードは仕留め損ねたことに舌打ちをし、そのまま地面に着地した。




朝日が昇り、光が町を照らす。
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