満月の日
ガンマがそう言った時、遠くから母親が呼ぶ声が聞こえた。




「ごめんお兄ちゃん。また明日ね。」




「うん。また明日。」




ガンマはそう言いながら手を振って、母親の元に駆けて行った。




旅人も笑いながら手を振り返す。




しかし、そこに黒い笑みがあるとは知らなかった。




それからガンマは毎日旅人の所にきては、旅の話を聞いた。





その話は、外の世界を何一つ知らない彼にとって、とても新鮮でワクワクするものだった。




そんな中、ガンマは母親から買い物を頼まれた。
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