満月の日
しばらく走り、塔に着いたハードはガンマを降ろした。




赤い月のない、影のある場所にきたためか、ガンマの体は静かに五歳児に戻った。




「ガンマ。ガンマ。しっかりしろ。」




「うっ…。」




ハードに肩を揺らされ、ガンマはうめき声を上げながら目を開ける。




「あれ…?ハード…?何でオレとお前が一緒なんだ…?」




「お前…、自分の身に、何が起こったのか、分からないのか?」




ガンマの言葉にハードは目を見開く。




黙って頷くガンマに、ハードは少し考えた後、これまでのことをすべて話した。
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