満月の日
ハードは曲刀を鞘に納め、その場に構えた。




「ピード。そのまま素手で戦ってみろ。」




「はいぃぃぃぃい!?」




いきなりの言葉に、ピードは声を上げた。




「そ、そんなことを言われても!!」




「問答無用。こないならこちらからいくぞ!!」




ハードはそこまで言うと、ピードに突進してきた。




「わわわわわ…!!」




ピードは慌てながらも、しっかりとガードし、反撃する。




その動きが素早いこと!!




いつもとは違うピードの姿に、リンはあんぐりと口を開け、ティラは手で口を抑え、ガンマは目をパチクリしていた。




一方、ピードはかつてない感覚に、戸惑いと驚きが入り混じっていた。
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