満月の日
旅人はそこまで言うと、人間から一つの「影」と姿を変え、空に消えていって、同時に一つの村が跡形もなく消えてった。




それからしばらくして、ガンマは目を覚ました。




見慣れない天井。




しかし、傍には自分を助けた男がいた。




ガンマはゆっくりと上半身を起こす。




それを見た男は彼の方に目線を向けた。




「起きたか。」




「ここは…?おじさん誰…?」




「私の名はゼロン。お主は?」




「ガンマ…。僕は一体どうなったの?」




「覚えてないのか?」




ゼロンの問いに、ガンマは頷く。




彼は肩をすくめた。
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