紡ぐ
次にお店で逢った時、僕は陽子にリストカットを辞めるように言ったよね。


そしたら陽子は全然判ってない。

私の事、全然判ってないと言って僕を遠ざけたね。


陽子は、「あのね」と短く言って次の言葉を教えてくれたね。


そんなに弱くない。

と思う自分と

そんなに強くない

と思う自分の

繰り返しだよ。


お客さんの暴力的な言葉にすら従い、自分を見失う。


何度となく、何度となく同じ事を繰り返し…。


誰といても感じる孤独。


1人でいると感じる孤立。


辿りつく答えは、自分を納得させる答え。

自分を傷つける答え。


他に方法を知らないから、私が傷つく事で、今の時間が過ぎるのならば…。


自分を取り戻した時に体に刻まれた傷を見る。


傷を見てまた自分自身思う事がある…。


誰に言われなくても判ってる。

誰に注意されなくても判ってる。


ごめんね。


そんな事言われると余計に離れていきたくなるから…。


今も無理して笑ってるよ。


その話題が嫌だから、また、無理して笑ってるよ。


時が過ぎるように笑ってるよ。


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