月夜の散歩
陽菜がよく笑うようになったのが一番の驚きだ


笑った顔なんて何年ぶりにみただろうか


愛想笑いなら仕方なくしていたが楽しそうに笑うなんて今まで殆どなかった


いや…無いに等しい


男か友達か…


様子がおかしいところを見ると男絡みか


どちらにせよ何かあったに違いない


「また戻らなければいいが…」


少し遠のいていた闇が陽菜の心に忍び寄っていた


誰にも気づかれないように…
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