月夜の散歩
額…目元…頬…唇…優しく口づけられくすぐったい気分だった


首筋から徐々に身体をずらし何度もキスを落とすと強く吸い付き跡を残す


白いキャンバスに散らばる無数の小さな薔薇のように…


いつの間にか恐怖も羞恥もどこかへ飛んで行ってしまった


「陽菜…愛してる」


冬夜の首に腕を回し引き寄せる


「あたしも…愛してる冬夜…」


気がつけば自然に言葉にしていた


ツーっと一筋の涙が流れあたし達は一つになった


月の輝く夜に…
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