月夜の散歩
危機感ゼロ
身も心も満たされ幸せな毎日を過ごしていた
幸せすぎて忘れていた
「危機感を持て」
秦が言ったあの言葉を
───…
──…
─…
あたしは学校の屋上で涼子とお昼休みを過ごしていた
「まさか涼子の彼氏が雲雀の総長さんだったなんて思わなかったよ!」
「あたしだって陽菜が高野さんの彼女になったって聞いて凄く驚いたんだから!」
あたし達はお互いに言いあって「ぷっ」と吹きだした
「何だか時が経つのは早いわね…結局夏休みは何処も行けなかったし」
涼子があたしをチラリと見る
「ほっホントねぇ…あははっ」