月夜の散歩
「…可愛い奴だな」


ボソッと呟いてじっとあたしを見つめて顔を近付けてくる


あたしは唇が触れ合う寸前で冬夜の両頬を手で挟んで止めた


「みっみんな…みてるよ…?」


冬夜はチラッと周りに目をやった


「ちっ…行くぞ」


みんな目を見開き固まっている


「あはっ…あはは…」


あたしは引きつった笑顔で冬夜に腰を抱かれて歩きだした


皆それを茫然としながら見ていた…恥ずかしんですけどー


女の扱いに慣れてるんだか俺様だからなのか…


あたしもしかして大勢いる中の1人とかじゃないよね?


いくらなんでもそれは嫌だなぁ…なんて思いながら歩いていた
< 34 / 222 >

この作品をシェア

pagetop