君色ジンジャーティー

雪樹の部屋。
そう書かれたプレートのかかってある扉に手をかける。
扉の向こうから聞こえる声は幻聴だと思いたい。

「……………………やっぱし」

部屋の中は、竜巻が過ぎ去った後、もしくは竜巻接近中のようになっていた。
狭い部屋で走り回る二人に呆れ、声も出ない。
しかし、言うしかないのだ。

タイミングを見計らい、二人のポロシャツの襟の部分を掴む。
そうして捕まえた後、今まで何度言っただろうかわからない、例の言葉を言う。

「走り回るなら外でしろっつったろ」

ここでのポイントは無表情。そしてなるべく低めの声。
そうすると、面白いほど静かになる。

少しして、二人を解放した。
走り回ることもなく、二人は私のベッドに腰掛ける。
まあ、ベッドくらいいい。

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