君色ジンジャーティー
そんな雛子に、笑みを貼り付けたまま尋ねる母。
父は未だに固まっている。
「ドレスは何色がいいかしら?」
「しろー!」
「ふふ、やっぱり白よねえ」
小学一年生の娘とドレスについて語り合う母、三十四歳。
全く、何やってんだ。
「雛子。口に物入れたまま喋るな」
「ふぁーい」
雛子はもぐもぐというよりも、むしゃむしゃといった勢いでカレーを口に運ぶ。
雛子は本当にカレーが好きだな。
やっと再起動した様子の父。
父はゆっくりと手を動かす。
どうやら、先程の雛子の発言をようやく子供の戯れ言だと理解したようだ。
まず、父が食べ終わり、その次に私。
三番目は雛子、最後に母といった順に皿は綺麗になる。
私と雛子は上に行くことにした。
母が私を呼ぶ。
なあに、とわざと面倒くさそうに応えた。
内容は奈月のこと。
明日は土曜日だし、面倒見てやってくれということ。
ちょうど明日は部活が昼までだ。
それに、ん、と一言だけ返して階段を上る。
階段を上っている途中。
テレビで聞いたことのある曲を口ずさむ雛子に質問を投げかける。
「宿題はしたのか」
「………………えへ?」
可愛くごまかしても無駄だ。
そう言って、二人で宿題をすることになった。
一瞬だけ、交換してくれないかなと思ったのは気の迷いである。
父は未だに固まっている。
「ドレスは何色がいいかしら?」
「しろー!」
「ふふ、やっぱり白よねえ」
小学一年生の娘とドレスについて語り合う母、三十四歳。
全く、何やってんだ。
「雛子。口に物入れたまま喋るな」
「ふぁーい」
雛子はもぐもぐというよりも、むしゃむしゃといった勢いでカレーを口に運ぶ。
雛子は本当にカレーが好きだな。
やっと再起動した様子の父。
父はゆっくりと手を動かす。
どうやら、先程の雛子の発言をようやく子供の戯れ言だと理解したようだ。
まず、父が食べ終わり、その次に私。
三番目は雛子、最後に母といった順に皿は綺麗になる。
私と雛子は上に行くことにした。
母が私を呼ぶ。
なあに、とわざと面倒くさそうに応えた。
内容は奈月のこと。
明日は土曜日だし、面倒見てやってくれということ。
ちょうど明日は部活が昼までだ。
それに、ん、と一言だけ返して階段を上る。
階段を上っている途中。
テレビで聞いたことのある曲を口ずさむ雛子に質問を投げかける。
「宿題はしたのか」
「………………えへ?」
可愛くごまかしても無駄だ。
そう言って、二人で宿題をすることになった。
一瞬だけ、交換してくれないかなと思ったのは気の迷いである。