君色ジンジャーティー
部屋へ戻ると、暗闇の中に光が一つ。
その光は青くなったり赤くなったり、点滅する度に変わっていった。
電気を点け、机の上に置いてある携帯を手にとる。
メール一件。
ほぼ無意識的に、受信の動作を行う。
相手は、椛だった。
明日の連絡何だっけ。
その内容(といっても一行だが)に、開いた口が塞がらない。
馬鹿かお前は、と舌打ちをする。
どうせ一斉送信だろう、そう考えて私はメールを返す。
内容は、こうだ。
[私は椛と同じクラスになった覚えがない]
そして、英語のノートを開き終わった時に再び携帯が鳴る。
因みに着信音は第九。女らしくなくてもいい。
再び携帯を開いて確認。
私は大きな溜め息を吐いた。
[ごめんごめん。親戚だからうっかり。]
いやいや親戚は某青い猫型ロボットのように便利じゃないからな。
私は適当に返事を打ち、送信した。
椛とは、私の親戚その三だ。
その一とその二は、奈月と栞叔母さんである。
椛もまた、従姉妹のうちの一人だった。