もう一度笑いあえるその日まで
「もしもし」


「長谷さん?」


「はは、さくらちゃん
長谷さんじゃなくて、あつしでいいよ☆」


あつしはそう言ってくれました

「さくらちゃん、俺と電話なんかしてていいの?
彼氏怒らない?」


「大丈夫ですよ、私の彼氏、そこまで私に興味ないんで」


嘘をつきました

あつしとこうやって電話してる間にも、卓也とのメールは続いていました
でも卓也は私が何をしてるとか、誰とどこにいるとか、そううるさいことは聞いてきませんでした
私が面倒くさがりなのを分かっていた卓也の優しさから


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