牢獄の姫君
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今日はアンヌの結婚のドレスを仕立てるためにパリへきた。
「生地がありすぎて選べないわね」
「どれだっていいわ。いっそ普段着で行ってやろうかしら……………あっ」
私はアンヌの見る先をみた。
背の高いイケメンがいる。
アンヌの頬は真っ赤だ。
「あ…アラン…」
「やあ、アンヌ。そちらは?」
「妹のフローラ。15よ」
「俺はアラン。身分は伯爵。よろしく」
「アランどうしたの?何かあったの?」
「君が結婚するって聞いていたからね……君の屋敷へ行こうかと思っていた」
「…そう」
「アンヌ…まさか本当に…」
「ごめんなさい…いくわ。またいつでも来てね。フローラ、いくわよ。またお母様に叱られる」
私の手をぐいっと引っ張ってアンヌはいってしまった。