牢獄の姫君



「顔を隠さないで。大丈夫だよ」


私の手をそっと握る。



でも私は優しさや同情に



騙されない。



そうやって私を騙してきた男が沢山いるのだ。



15才の私にはわかる。



「いえ…何でもないんです」



立ち去ろうとすると



「気分が悪いならどうぞ。何か話したければまたここにおいで」



彼は私にシャンパンをくれた。


私と同じブロンドの髪…と私とは違う茶色の目。


私は青い目で彼に愛想笑いをした。



「ありがとうございます」


< 7 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop