牢獄の姫君
「顔を隠さないで。大丈夫だよ」
私の手をそっと握る。
でも私は優しさや同情に
騙されない。
そうやって私を騙してきた男が沢山いるのだ。
15才の私にはわかる。
「いえ…何でもないんです」
立ち去ろうとすると
「気分が悪いならどうぞ。何か話したければまたここにおいで」
彼は私にシャンパンをくれた。
私と同じブロンドの髪…と私とは違う茶色の目。
私は青い目で彼に愛想笑いをした。
「ありがとうございます」