涙のタマゴ。
「はぁ?」

「お前の事だよ」

「え?意味分かんない」

「人の気を引くために
 ウソ泣きするような奴は、
 クソおんなだろ?」

「ちょ、ちょっと待って」

「なんか文句あんの?」

「あんた…何?誰?」

「天使」

「…?」

「お前の天使だよ」



なるほどね。私の天使ね。

よし。落ち着こう。

ちょっと冷静になろう。


なんだこの子は?


そっか。
病気なんだ。
そう。
かわいそうな病気。


それで、施設か何かに
入れられて、
ママとパパとも
会えなくて、


その施設を抜け出してきた。

かわいそうな子。


よし。もう大丈夫だ。


「ねぇ君。お母さんは?」



「お母さんは、お前だよ」


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