涙のタマゴ。
「はぁ!?」



ヤバイヤバイ。

この子のペースに、
乗せられてる。


この子は、かわいそうな子。



「ねぇ、君。名前は?
 男の子?女の子?」

「ガブリエル」

「が、がぶ?」

「性別なんてねーよ。
 両性具有なんだから」

「がぶ…?」

「お前ね、
 このまんまじゃヤバイ。
 人が一生の間に、
 流せる涙っていうのは、
 量が決まってんの。
 で、規定量以上の涙を
 流すと、罪になんのね」

「ちょっと…いいかな?」

「まぁ、このままいくと
 地獄行きだろ?お前。
 そうなると、
 俺の評価も下がるわけ。
 お前担当の天使だから」

「ちょっといいですか?」

「ムリ。だから俺が…」

「ちょっといい…?」

「黙れ。だから俺が、
 涙の使い方、
 お前に教えてやるよ」


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