涙のタマゴ。
「ちょっとぉ!!」


思わず大きな声が出た。


やばい…。

周りの人が見てるよぉ…



あれ?



誰も見てない。。


ていうか、
目の前を通り過ぎる人も、

まるで私達の存在に
気がついてない…



「え?なにこれ?」



よーく見てると…

駅前を歩く人達の流れが
私達を避けるように

自然にふら~って
左右に分かれていく。



小学生の頃、
友達にいたずら半分で、
無視された時みたい…。



やめて…。イヤ…。



「信じる気になった?」



ガブリエルが、
口元をアヒルみたいにして
意地悪そうに笑った。



「し、信じる」



そう言うしかなかった。


だって、明らかに変だよ。

この状況。


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