時空奏者



まず目に入ってきたのは
部屋の奥にある大きな窓ガラス。

その前には年季の入った
立派な机が1つ。

その手前には

普通の、といっても
それはそれで立派な机が5つ。


目の前を歩く彼女は真っ先に
その立派な机へと急ぐ。


「……わぁ…」


ハルカは対照的に
まるで
世界遺産でも見るかのように
観察し始める。


扉の左右には見た事ない木が
植木鉢からこんにちはと生えてたり、

壁にはポスト(?)があって
そこからは沢山の紙や封筒が
雪崩のように出てきていた。


―――…どうなっているんだろ?



恐る恐る前に踏み出すと
床は結構頑丈に作られているらしく、
カツンカツン鳴る。


「大理石みたい…」


ふりかえると、さっきは見えなかった
植木鉢で隠されていた所を発見。


入り口から見て右端
…つまり今左側の空間には

黒いソファが縦に2つ並んでいて
その間には小さなテーブルがあった。

―――なんか、秘密基地みたい。


左側には、よく見えないけれど…


「キョロキョロすんな。
…そこ、座れ」


…やっぱり、何かあるんだろう。


彼女が言う“そこ”がよく分からず
恐る恐るさっき見つけたソファに座る。


座っていても
ああやっぱり秘密基地みたいだな
と思うハルカだった。


一方、彼女は
引き出しをまだ漁っていた。

…それはすごい不機嫌なオーラを
かもし出しながら。


―――こ、怖ッ!!


それにしてもここには
人の気配がないな。

空き部屋なのかな。

でも、ヤ●ザみたいな人が
100人くらい並んで待ち構えられても
困るんだけど…






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