時空奏者
―――なんなんだ!?
まだいるのか!いるのか!?
「どうせまた後で嫌でも会うし」
エレンがまたどこからか煙草を取り出し
プカプカ吸い出す。
―――あ、もう決定なのね!?
てか、煙草吸ってるけどさ
あなた絶対未成年ですよね!?
法律的にアウトだよね!?
いや、そもそもあたしの知ってる法律が
この人に通用するのか?
っていうところから疑問なんだけどさ!
「…まぁ、ほかにも
色々集団とかあるけどな。それで、ハルカ」
エレンが口を開く。右手には煙草。
「は、はい?」
「こいつがクウだ」
「クリュウ・サクだ」
丁寧に言い直すクリュウ。
「…クウ?」
「はは!そんな風に呼んでんのエレンだけだよ!」
なんで言い直すんだと不満げなエレン。
当然だといわんばかりに見下ろすクリュウ。
そして
そんな2人を見てロウがケラケラ笑う。
本当に、可笑しそうに。
「矢崎、ハルカです」
一応挨拶をしたハルカだったが
やっぱり、彼もハルカのことを知っていた。
「…あぁ。知ってる。
…エレン!スキニーん所は行かねぇぞ」
クリュウが思い出したように言い放つ。
「んだよ!……行けよ」
エレンから発せられた
信じられないほど低い声。
―――脅されてるじゃん!
こんな女の子に!!
「……」
しばらくの沈黙の後。
諦めてさっさと出かける用意を始める
クリュウに笑みをこぼるエレン。
「頼むぞクウ」
「…ん」
笑うなという意味を込めて
バシッと頭をたたくクリュウ。
「ってぇ!…バカ」