時空奏者
しかし、
すぐに止めて自分の肩を抱く。
―――夢にまで出てきたら
冗談じゃないし。
ふと窓を見るとどっぷり日が暮れてた。
―――そういえば
なんだかお腹も減ってきている。
「カグラさん
あたし帰らないとヤバイです」
「まだ大丈夫だろう?」
―――何言ってんのこの人は!!
「だって、もう夜ですよ!?
こんな時間に帰ったら
お母さんに何言われるか
わかんないし…」
訳が分からないと
ハルカを見るカグラ。
「向こうはまだ1秒も経ってないぞ?」
「は?」
―――何言って…
「今は、こっちの1日が
向こうの1秒になるよう
設定してある。
だから今日は
飯食って寝てけばいい。
明日の朝、向こうに戻れば
全く問題ないだろう?」
「初耳です、そんな話」
―――もう、なんなの!
「さて、下の2人と食事にでも行くか」
立ち上がりハルカを呼ぶ。
「え、あたしも!?」
「もちろん。
腹減ってんだったら
さっさと食べた方がいいに決まってる」
そしてカグラは
クローゼットを開けて着替えを出す
「俺は外に出てるから着替えろ。
そんな格好してたら目立つ」
―――あたしより
カグラさんのほうが
あらゆる意味で
確実に目立つと思うけど…
「ありがとうございます」
…シワシワになってしまった制服を
思いやっての行動かと思うと胸が温かかった。