時空奏者



南館2階の奥の部屋。

そこはリンの私室であった。


必要最低限しか
置いてない家具と、
部屋の所々に
山積みになってる本。


そして、
昨日の出来事を思い出す。



―――昨日…



「今日はここで
お休みになってください」



そう言ってリンは
自分のベッドをハルカに譲り、

さっさとソファで寝ようとしていた。



「え!?いや、リンのベッドだし
リンが使って!?」



それを、ハルカは許さず

さすがに悪いしあたしこそ
ソファで寝るのに!

とリンを起こす。



「…いつも、
あまり使ってませんし…
あぁ、お布団の方が良かったですか?」



パチリと目を開け体を起こすリン。

そして
ハルカはふと思った。



―――今思ったけど、ここにいる人って
みんな美形だよね…。

エレンも黙ってれば可愛いし
ロウさんなんか
マジで人間?って感じだし
カグラさんも、クリュウさんも
どっちも美形だしさぁ…

まさに
生きてる芸術品みたいな?



「え?いや、
布団でもなんでもいいんだけど…」



ハルカが

【布団でもベッドでも
どっちでもいいんですが
とりあえずリンは
ベッドを使ってアピール】

をしていたら



なぜかどんどん
リンの目が鋭くなってゆく。

焦るハルカ。



―――あ、もういいよって感じ!?
うぜぇよって!?

ていうか、美少女が睨むと怖いよ!



「…少しの間、
目と耳を塞いでいてくださいね」



「は?」



コキコキと体を鳴らすリン。

意味が分からないが、
とりあえず逃げる準備をしようと
ハルカが決めた時だった。



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