時空奏者
「このバカな子のせいで、すみません」
エレンの足をゲシゲシ踏むサリア。
まあ…当然、怒るエレン。
「あぁ!?誰がバカだっ」
「エレンに決まってるでしょ!?」
「はぁ!?」
「…私に、文句あんの?」
コロリと態度を変え、エレンの首に針を突きつけるサリア。
「……いえ、ないです」
「よろしい」
―――えぇー…!?なにこの展開……
サリアさん強いんだ…。
エレンに勝ってるもん…!
「…って、言うと思ったか!
あぁ!?ナメてんのか、てめぇは!!」
ギャンギャン怒るエレンにムスッとしながら言い返す。
「…何よ。どうせ手も上げられないくせに!」
「んだと?…やるかよ?」
「っ!……と、当然!!」
バチバチ火花が散る2人。
もう2人にはハルカの姿は見えてない。
―――うわ、どうしよう!?
どこに逃げよう!?
「はい、ストップ」
「落ち着け、…エレン」
「カグラさん!クリュウさんもっ!」
あわや大喧嘩になるのを寸前で止めにかかったのは
疲れきった顔のカグラと
つまらなさそうな顔をしたクリュウだった。
「うぎゃっ」
クリュウはあっという間にエレンを押さえつけ確保。
―――そしてあっという間にカグラの胸に飛び込むサリア。
「カグラ、違うからねっ…!?エレンが、エレンがっ!」
「はいはい。…言い訳は後で聞いてやる」
サリアがカグラになきつく一方、
「クウ!てんめぇ……放しやがれ!
…おい、聞いてんのか!?」
「……落ち着け」
エレンはクリュウにぐるぐる巻きに縛られていた。
―――っていうか、さっきからさぁ…
あたしのこと忘れてるでしょっ!!?