時空奏者

フードから覗く赤信号




「ここ、どこ」

「ん?家」


「見れば分かります」

「いや、何と言ってもバカルカだし…」



―――うぜ!こいつマジでうぜぇ!



「…エレンのばぁ~か」

「…!!」



―――ふん。ざまぁみ……



「んだと…?


ハルカのブゥゥース。超ドブス」




―――……言い返せない。

超ドブスではないと思うけど…!!


可愛いとも言い切れないでしょうが!



「こんの…美少女め!」

「もっと褒めろ」



ギャハハと笑うエレン。
そこには可愛らしさが欠片もない。


どんまいである。



―――うわー…ポジティブだなぁ。



「女って怖いですね…。
それで、何を人の家の前で喧嘩してるのですか」



「ぎゃあぁぁああぁぁあぁぁ!!!」




振り返ったハルカは叫んだ。


目の前にいた、全身から怪しいオーラをかもしだした
真っ黒のフードを鼻の下まで被った男を見て。


それはそれは、叫んだ。



「エレン、彼女倒れましたけど…?」

「ハルカだろ?ほかっとけ」



そういう訳にはいかないでしょうとハルカを拾った棒でツンツン突付く。


だがピクリとも動かない。

首をかしげたフードの男はエレンに問いかける。



「何故、僕を見て叫ぶんでしょうね?」

「…当たり前だ」


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