時空奏者
「そういえば、
まだ自己紹介してませんでしたね」
無駄に広い部屋に紹介され、
彼は思い出したようにそう言った。
バサバサと書類をゴミ箱に放り込みながら。
「僕の名前はイノ。よろしくお願いしますね」
「は、はぁ…」
―――例によって、知ってるんだろうな…色々。
「あ、ハルカさんの事は聞いてますから大丈夫ですよ。
…あれ、大丈夫ですか?」
「あはは、大丈夫ですよ…」
―――無理、立ち直れない…!!
首を傾げながら、イノはさらりと
服脱いでもらえますか?
と言った。
「はいっ!?」
「女性相手に申し訳ないのですが…」
声が弱弱しいが、手には何やら色々持っている。
―――超楽しそうですね!?
ていうか、何この羞恥プレイッ!!
体重も何もかも知られた上で更に服も脱げと!?
「大したカラダじゃねぇくせに騒ぐな」
「こら、エレン。失礼ですよ」
いつの間にか来たエレンが
無理矢理服を脱がしにかかるのを止めるイノ。
「っち!……脱げよ」
―――超怖い!
「すいません、ハルカさん」
「い、いえっ…!!」
―――脱ぎます、脱ぎますっ…!
だから、そんな怖い顔で睨むなエレン!!
眼力半端ねぇから!!