時空奏者
「…カさん、……ルカさん。
ハルカさんっ!」
「きゃあ!?」
ハルカが慌てて飛び起きると、
「なぁにが、きゃあ!?だ!
ちっとも可愛くねぇんだよ、おら!帰っぞ」
「え!?え、失礼だよね!
てか、待って!全然話が見えないし…!」
不機嫌なエレンが突っ立っていた。
「収穫0。
…何ぼーっとしてんだ?早くしろ。
あたしはさっさと帰って寝んだから」
今日こそは寝るんだ
いや、絶対寝てやるんだ
と呪文のように唱えるエレン。
「すいません、ハルカさんのが思いのほか取るのが難しくて…」
「へっ!?……あぁ!」
一瞬、イノの存在を忘れていたハルカだったが、
しばらくして、
やっと自分にふりかかった
災難な出来事を思い出したハルカだった。
「いや、仕方ないですよ。
…って、私が言うのは変ですけど…!
でも、あの、イノさんは悪くないですから!」
どうやら、自分の中にあるモノは取れなかったらしい。
そして、それが示すコトはたった1つ。
「ハルカもさっさと帰って休め。
明日から忙しくなんだから」
この訳のわからない世界に、
しばらくいなければならないという、幻のような現実。
「い、いぃ、嫌だあぁぁ!!」
さあ、宴(うたげ)が始まる……
「逃げんなよ…?」
「に、逃げたいです…!!
踊り狂った踊り子はどうなるのか…?
……
…
不気味フードくん達との出会いは
ハルカにとって
吉と出るか凶と出るか……?