時空奏者
それはきっと狂ったビードロ
ハルカとエレンが戻ってくると
「おじゃましてます、エレン様」
「……カナメからか」
「…あぁっ!!?」
接待室みたいになってる所のソファに座っていたのは
「あ、あなたはっ!」
びしぃっ!と指さすハルカ。
「この前のアンドロイド!!」
「…あぁ~そうなったのー?
うん、間違ってないし、いいけどねぇ~」
エレンには、びしっとした態度で
ハルカに対しては、ふにゃ~とした態度の
ハルカ曰く、アンドロイド。
「フレイムに会ったのか?」
どかっとソファに座り煙草を吸い始めるエレン。
「え?この人フレイムって言うの?」
「名前とかないようなものだし、好きに呼んでくれていいよ~」
ニッコリ笑うフレイム。
とても、人間ではないとは思えない。
「……フレイム、訳わかんねぇんだけど?」
「あー…この前送ったの僕なんです。
ほんとはフライムが行くとか言ってたんですけど…」
―――誰だ、フライムって?
「あと、主からです。……やはり、動き始めたと」
「…っち、分かった。一応手は回すが、今こっちも限界なんだ」
「不足分は僕がフォローするので」
「そうか、わかった。なら…60で行く」
「フライムもいるので、40で大丈夫ですが?」
「あいつが来るのか?
…じゃあ、それで行くとするか……」
どんどん2人だけの世界に入ってしまうエレンたち。
エレンの眼はどんどん険しくなり、
どんどん鋭くなってゆく。
フレイムも、少し顔が曇っている。
―――わからない。
何を言ってるんだろう?
『何』が動き始めたの?
『40』とか『60』って何?
…なんで、こんなに胸騒ぎがするんだろう?