時空奏者
「大丈夫、かなぁ…」
「っはは!大丈夫、大丈夫~
ココのトップやってんだからぁー」
フレイムが軽く笑う。
まだ扉を見つめて心配しているハルカが
可愛くて仕方ない、とでもいうように。
「んー、あたしその…いまいちよく分かんないんだよね」
「うん?」
「エレンの凄さが」
「……え?」
「だって、見せてもらったことないし」
…そういうことか
1人で納得してから、あははと笑うフレイム。
「それはそうだよー」
「え?」
「ハルカさんが、守られてるシルシでしょ~」
「はぁ…?」
「細かいことは気にせずに行くよー。
それより、ハルカさんだと…カードかなぁ?」
「カード?」
―――え、召喚!
みたいな!?そういう感じっ?
それで、ボフン!ってなって
なんかドラゴンが出てくる的な!?
ヤバいねそれは!
「うん、ドラゴンいいよね!」
「はい?ドラゴン?」
何か違う方向に進んでいると
うっすら気付き始めたフレイム。
彼は正しい。
「でも、うーん…、
あたしそんなの扱えないっていうか…」
ハルカの頭の中ではドラゴンがメリーゴーランドみたいにくるくる回るっている。
「……これから先が思いやられる…」
「え?なんか言った?ちょっと、ねぇってば!」
「いたっ!うん、いやほんとに、なんでもないですよ~」