時空奏者



「大丈夫、かなぁ…」

「っはは!大丈夫、大丈夫~

ココのトップやってんだからぁー」



フレイムが軽く笑う。


まだ扉を見つめて心配しているハルカが
可愛くて仕方ない、とでもいうように。



「んー、あたしその…いまいちよく分かんないんだよね」



「うん?」

「エレンの凄さが」




「……え?」

「だって、見せてもらったことないし」



…そういうことか
1人で納得してから、あははと笑うフレイム。



「それはそうだよー」

「え?」



「ハルカさんが、守られてるシルシでしょ~」



「はぁ…?」

「細かいことは気にせずに行くよー。
それより、ハルカさんだと…カードかなぁ?」

「カード?」



―――え、召喚!
みたいな!?そういう感じっ?
それで、ボフン!ってなって


なんかドラゴンが出てくる的な!?




ヤバいねそれは!



「うん、ドラゴンいいよね!」

「はい?ドラゴン?」



何か違う方向に進んでいると
うっすら気付き始めたフレイム。


彼は正しい。



「でも、うーん…、
あたしそんなの扱えないっていうか…」



ハルカの頭の中ではドラゴンがメリーゴーランドみたいにくるくる回るっている。



「……これから先が思いやられる…」

「え?なんか言った?ちょっと、ねぇってば!」

「いたっ!うん、いやほんとに、なんでもないですよ~」



< 66 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop