時空奏者



「おじゃましまーす…」

「ハルカ様、こちらへどうぞ」

「うん」



中は、意外にも普通だった。


小さな机に、椅子。
小さな窓がいくつかに、立派な暖炉が1つ。



特に、変なところは見当たらない。



「り、リン?」
「はい」

「何、するの…?」


「種類選択するだけですから、大丈夫ですよ?」


―――何の種類ですか!!?
しかも答えになってない!!


「しゅ、種類…?」
「楽しみですよ、自分も」



楽しみにすんな!、と声が出かけるハルカだったが、ぐっとこらえた。


ハルカは、大人の階段を少し上った気分だった。



「腕、出してもらえますか」

「…、何するの?」



「大丈夫です、痛くないですから」



―――その返事が一番怖いんですけど!!?



おそるおそる腕を出すハルカ。



「……透明のしたじきで何しようとしてるの?」
「…したじき?……これは、ストーンの結晶ですが?」


リンはストーンの結晶をハルカの腕に透かす。




え、あ…そうなんだ~?ごめんごめん


―――ってできるか!!



「いやいや、え!?」



どんどん透かしていく度に、リンの表情が曇る。



「…っち、合わない…」
「リン!?」


リンの本性が現れた瞬間だった。


―――怖いです、お母さん。助けて…!!

主に、リンの目が怖いですっ


< 68 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop