時空奏者




「え、エレン?」

「あぁ?」

「さっきの人、誰…?」




「…え。秘密?」



眩いばかりのエレンの笑顔。

どうやら教える気はサラサラないらしい。



「エレンのバカ!!」

「てめぇに1から説明したら100年かかるっての」

「ケチ!」

「黙れ」

「スイマセン」


絶対零度の声色に、すごすごと用意を始めるハルカ。

…といっても身なりを整えるだけで終わってしまうが。



「あのー、終わったけどー…」

「………」

「エレンー…?」



壁にもたれて、目を閉じ何かを考えてるエレン。


そして。




「―――好きな色は?」


「は?」



―――訳がわからない。



「色だよ、色」

「えっと、うー…ん。


あ、白!白好きだよ!」



「却下」


「なんで!」

「それ以外ならいい」

「……じゃあ、水色」

「わかった」



出るぞ、とエレンが言った。




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