羽菜の日記
「い、いらないよ、そんなの」と。

言ってしまう。

そう、言ってしまった。

ちぇ、とか。つまらなそうに背を向けるのはなぜなのか。余計に気になる。

「じゃあ、さ!」と、彼が勢いをつけて振り返りなおしたときには、隣から、友達から。

「ユウヤ、誕生日だ!思い出したぜ」

「え~、知らなかった」

「なに、何かもらったの?」

「ハナっち優しい~!」

そういう時には。

「近所の憐みっていう感じだよ」

言い放てば

「それを言うなら、近所のヨシミ、ってのだよ」

智香がツッコミを入れてくれる。
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