青春サプリメント




言い忘れていたが、彼と我は席が隣同士なのだ。




「あ!そうだ、その消しゴム取ってくんね?」


彼は付け足すように言いながら、床を指した。

だが、指した場所には消しゴムなど落ちていないようだ…




「え、ないけど…」


我がそう言うと彼は不敵に片方の口角を上げて フッ、と笑うと




「いや、あるんだな」



と言って、指をパチンと鳴らした。







…?


なにか違和感がある…


そう、違和感のある場所は…





「な、あっただろ?」






我の脱いでいた上履きの中に、小さな消しゴムが入っていた。




 
< 17 / 28 >

この作品をシェア

pagetop