Time is gone
愛する人と、してみたかった。
もしかしたら、そこに新たな光が生じ、行く道を照らし出したかもしれない。釣糸を垂らしても引っ掛かりもしなかった光。いい大学に入っていい会社に就職する、そこに失った光。それらの代わりとなる光。
それは誰かを愛し、一生を掛けて守り、その人の子を育て、その子が大人になり、愛する人と巡り合い、孫が生まれ、その顔を見ることを楽しみにする、という新たな光。
そんなものは、僕にとっての希望にはならないと思っていた。それはただ、僕がガキだったからなのかもしれない。
「ばあさんと旅行に行ったり、孫の顔を見ることだよ」
昼間の老人の言葉が蘇った。今から思えばそのときの老人の表情は、全てを悟った仙人のようだった。
もしかしたら、そこに新たな光が生じ、行く道を照らし出したかもしれない。釣糸を垂らしても引っ掛かりもしなかった光。いい大学に入っていい会社に就職する、そこに失った光。それらの代わりとなる光。
それは誰かを愛し、一生を掛けて守り、その人の子を育て、その子が大人になり、愛する人と巡り合い、孫が生まれ、その顔を見ることを楽しみにする、という新たな光。
そんなものは、僕にとっての希望にはならないと思っていた。それはただ、僕がガキだったからなのかもしれない。
「ばあさんと旅行に行ったり、孫の顔を見ることだよ」
昼間の老人の言葉が蘇った。今から思えばそのときの老人の表情は、全てを悟った仙人のようだった。