Time is gone


 東京メトロ丸の内線、とある駅の改札を出た私は、ある場所を目指した。私の足は自然とその地へと向かい、今もその歩調を緩めることはなかった。
 眼前には、大きな半円状の建物がそびえ立っていた。私はその周りを歩き続け、とある場所で足を止めた。そして待ち続けた。そのときが訪れるのを。
 そのときまで、きっと私は待ち続けただろう。一日でも一週間でも、一ヶ月でも待ち続けたかもしれない。だがそのときはすぐに訪れると、私は確信していた。だからこそ、実際にそのときが訪れたとき、私は予想以上に落ち着きはらい、それを受入れられた。レストランで注文した料理が運ばれてきたときのように、自然と。
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