END6ヶ月間生存日記

点滴台と恋

あたしの中でずっと張っていた気持ちが

プツリッと切れる感じがした。




亮『ごめん‥‥ごめん‥俺帰るわ‥』




ガバッ!!!!ガシャンっ




「‥‥‥‥‥っ‥いやッ!!!!いかんとって!!!」

亮『‥‥‥‥‥‥優希‥‥‥‥』

「いやや‥‥‥いかんといてっ‥‥」




帰ろうとする亮ちゃんをとめようと亮ちゃんの腕を掴んだ拍子にあたしの腕にしていた点滴の針が抜け‥

点滴台はいきおいよく地面に倒れた

今までどこか自分の中で張っていた気持ちがいっきにきれて‥

亮ちゃんに迷惑かけたくない‥

亮ちゃんに寂しいとか言わんとこう‥

亮ちゃんにわがまま言ったらあかん‥

そんな気持ちがいっきに切れて‥

気づけばあたしは亮ちゃんを泣きながら掴んでいた。




亮『‥‥ごめん帰るわ‥離してくれへんか??』

「‥‥‥あたしはな‥いっつも寂しかってんで???」




今までいえなかった事が自然と口から出た。




「本間は‥‥っ側にずっとおって欲しかってんで???」

亮『‥‥‥‥‥‥帰るわ‥。』

「‥‥‥亮ちゃんはいつもそうやね??あたしをドンドンおいてくねん。」

亮『‥‥‥‥帰る‥。』




そう一言言って亮ちゃんはあたしを振り切って

病室を出ていった。

亮ちゃんがいなくなった病室には静かに沈黙が続いて‥

外はチラホラと雪が舞っていた。

点滴をしていたあたしの腕は針を無理やり抜いたから

赤く腫れて血がにじんでいた‥




「‥‥‥‥‥あたしアホやん‥‥‥っ」




でも痛みは感じない。
< 37 / 95 >

この作品をシェア

pagetop