END6ヶ月間生存日記
「‥‥ゴホ‥章大に‥また会えてよかったで??‥」

章『何言うてるねん‥最後みたいな言い方すんなや??』

「ゴホッゴホ‥あたしこれでも本間幸せやったで??」

章『‥そんな言い方すんなや‥まだ終わりちゃう‥!!!』

「ゴホ‥」

章『‥‥優希‥‥‥血‥』




抱きしめ会っていた体を離すと優希の口から赤くて鮮やかな色の血が出た‥

必死にそれを手で口を覆い止める優希‥




章『優希あかんって!!!病院戻ろう???」

「ゴホ‥ッいやや。あんな所いや‥」

章『そんなん言うても血‥‥はよ救急車呼ぶわ‥』

「やめて!!!!」




優希の大きな叫び声で俺の携帯のボタンを押す手が止まった。




「「はいこちら○○病院ですが‥もしもし???」」




ピ‥




「‥‥あたし章大が好きやっ‥‥」




繋がった電話の電源を優希が軽く親指で切り俺にキスをした。




章『‥‥‥っ‥』




血の味がした‥








は が ゆ く て 

痛 々 し く て 

切 な く て








最後を示すかのような痛い味‥




章『‥‥優希‥もっかい‥っ‥』




俺はもう一度優希と口を重ねる‥

人より体温が低くて少し冷たい優希の唇が小さく震える‥

その震えを止めるかのように俺はきつくキスを続ける。

重ねた口を離すと

自然にお互いの目からは涙が落ちる‥




章『俺はな‥俺は優希が‥』




初めて重ねた彼女の口が痛々しい。
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