15年の心
烏と子猫と罪
私の家の大人は
他の家の大人と同じなのでしょうか。
野良猫が小屋の隅に子猫を産んだ
かわいい小さな命
けど大人は
「捨てておきなさい」と。
「烏が食べるだろう」と。
小さな私は子猫を撫でて
大人と一緒に置き去りにした。
それからこっそり家からでたけど
何ともいえない気持ちになった。
茶色の子猫は「居なかった」。
黒の子猫も「居なかった」。
白い子猫だけは「居た」。
白い子猫の「中身」が見えてる。
「あぁ。死んだんだ」と。
「死んでしまったんだ」と─────。
ハジメテの「死」はこの時だった。
子猫に触れたらまだ温かくて
目を閉じた顔がとてもキレイだった。
きっとこの子猫は
私に「罪」を教える為に此処に「残った」んだ。
いや、
子猫を喰らった烏が教えようとしたのかも。
かわいそうな
この白猫を「残して」。
ごめんね。
ごめんね。
私は、向日葵が咲く隣に
子猫を埋めてあげた。
この頃から「人間」に
「罪」を感じていたのかもしれない。