くじら
―明日君が暇なら映画でも見に行きませんか?
「瑠璃子さん、どうかしたの?お顔が真っ赤よ…」
「いいえ、母様。只今帰りました、遅くなってすいません…」
「勉強も程々になさいね。あ、明日は貴女予定はあるかしら…」
予定は……
「あります。すいません、お母様…。」
実は先生と逢い引きなんです…
母様にも秘密…
言ったら絶対に発狂する事間違いないわ。
「仕方ないわね、演劇見に行こうと思っていたけど。…西田さんとでも行こうかしら」
あっさりと引き下がってくれた母様に感謝した。
母様も演劇を観に行かれるんだったら
会わないように気をつけないと…
「昴…。何か御用ですか」
「用が無かったらあんたに会いになんか来ないよ。……」
久白兄さんはそうですねと頷いた。
「敬語はやめてくれない?馬鹿にされてて嫌な気分になるんだけど…」
久白兄さんは、すいませんと 謝る
首振り人形みたいな早さで…