くじら
映画は結局は日本のものを見る事にした
私が英語が苦手だからという理由で…
暗い映画館で 無音映画(サイレント映画)
弁士(語り手)がなめなかに話し出す
先生もじぃと画面を観ている
黒い眼鏡を映画の光が照らす
「……ちょっと駄作ですね。つまらなくないですか?」
先生は横顔だけで聞いてきた
「ちょっとつまらないです。先生よくわかりましたね」
わたしも小声で先生に話す。
「…画面じゃなくて僕の顔ばかり君が見ていると思って……」
「気づいてらしたなら先生もつまらかったと思ってらしたんでしょ?」
先生は目をほそめる
精一杯の嫌みを言ってあげた