くじら





映画は途中で抜けて街を歩く…は、目立つから



馬車で散歩する事にした





「眠いんですか?先生…さっき欠伸してましたよ?」



馬車に乗ったら先生は窓枠に頬杖をつく



「はは…。昨日徹夜をしてしまって、ちょっと眠たいです。」





「大丈夫ですか?…少しなら寝ても大丈夫ですよ」



徹夜…て授業の事かな。




眠たい顔か笑った顔か分からない顔で言った




「それじゃあ、瑠璃子さんが楽しくないでしょう。そうですね…、じゃあ何か聞きたい事は…」




「先生の昔の話をちょっと聞きたい…です」





昨日からずっと気になっていた





先生の好きだった人



先生の過去…。



どういう風に生きてきたのか……


先生は頷いた。




「いいですよ…。ちょっと短めに、」


ガタンガタンと馬車は揺れる



外からは人の騒がしい声がする






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