くじら





「君が現れて、少しずつ君に興味が湧いてきたから。でも、まだ……本気になれない。ごめん…なさい」






胸が苦しい…



先生の言ってる事が胸にささる。






満たされない、気持ち





信じれない、気持ち




「いいんです。先生、大丈夫です、平気です」






わたしがこの人を幸せにする。





―幸せにしたい…




コツンと私の肩に寄りかかった





もちろん先生が




「せ、せ…先生、」



さらと髪の毛が揺れる




急にドキドキしだした





「…ありがとう。優しくしてくれて、」




低い低い声が耳元でした




「誰にでもはしませんよ、」




くすくすと笑った





「――名前よんでみてくれませんか、」



名前?




先生の名前…


「…くしろ…先生」














「……うん、瑠璃子さん」






サアァと風がふく




海からの風



ドキドキしてたまらない






初めて 先生の名前をよんだ
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