くじら









「先生、それ以上動いたら落ちますよ、」



池のふちにぼうっと
つっ立っている



「あぁ、瑠璃子さん。大丈夫分かってるよ」




ふっと笑い
池のふちから離れた



「何か考えていらしたんですか?」







「いや、昔の事を思い出していました。」




ヘラヘラとした笑い。



「……ここで考え事しない方が良いですよ。ひきづられるって噂の池ですから」


学校内のはずれに
ポツンとある池は



昔、身投げ
した人がいたらしい…




けど 本当かどうかは
眉唾ものの話だけど。



「道理で…、」





先生は言った。


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