くじら





うまく言えない。





先生の顔がよく見えない…



「…先生、」




「………何ですか」





月が綺麗に池にうつっている




「好きです…。」




「知ってますよ、瑠璃子さん」



言いたい事あるのに…




「……ごめんなさい、先生。」




「…瑠璃子さん?」





「……好きなのに、何故か不安なんです。…先生の事考えたら、…分からなくなって。私おかしいですよね…」





笑いたくないのに
笑い声が混じる






好きだけど不安で堪らない




先生のことわからないから…。





「…瑠璃子さんは悪くないですよ。僕が何も話さないから不安になるんです…」





そう言えば、



映画に行った時
聞いたきり、聞いてない




「……ちゃんと話すべきですね。」






< 147 / 370 >

この作品をシェア

pagetop