くじら
結婚式も終わり、翌日は学校だった
「瑠璃子さん。大丈夫?」
亜美子さんは心配そうに見ていた
「うん。平気よ」
「そう、ならいいんだけど。」
先生の事を考えてつい暗い顔になってしまった。
「お話中ごめんなさい、瑠璃子さん」
「あ、綾子さん。」
亜美子さんはあらぁと、口を押さえた
「どうなさったの、綾子さん?」
「えぇ、昨日須藤様の結婚式で瑠璃子さんに会ってね。ちょっと…」
あまりくわしくは話さなかった
亜美子さんはじゃあと離れていった
「昨日はごめんなさい。中途半端になってしまって…。」
「いいえ。」
綾子さんはふふっと笑った
「で、本題なのだけれど今日家に来ない?織人さんも会いたいらしくて…」
耳隠ししている髪がゆれる
今日は確か予定はなかった。
「えぇ、大丈夫。あの…織人さんて、綾部伯爵の息子さん?よね」
綾子さんはえぇと笑った
「ハーフなのあの人。…お母さま似で、大学生なの」
大学生…か