くじら
「久しぶりね…。瑠璃子さん、お元気?」
「はい。」
良かったと聡子さんは笑った
「ごめんなさいね…。結婚した途端忙しくなって…時間が中々作れなくて、」
「いいえ。私はいつでも構わないです、暇ですから…」
ふふ と聡子さんは微笑んだ
髪をさらとかきあげた。
「あれ…聡子さん。怪我をされた…の?」
手首に包帯がちらりと見えた
「え…、えぇ、ちょっとね。そろそろ時間だわ、ごめんなさいね。お友達を待たせちゃいけないわ」
後ろを見ると綾子さんと織人さんがいた
聡子さんはじゃあねと手をふった
「足、怪我してるな。」
「織人さん…」
織人さんは 腕組みして聡子さんを見てる
「…織人さん急に走り出したのよ。瑠璃子さん」
ジロっと織人さんをにらんだ
織人さんと綾子さんと私はデパートを離れた
車に乗ってようやく織人さんが口をひらいた
「もしかしたら、暴力を振るわれてるかもしれない…」
「え…。」
綾子さんはぐぅと眠ってしまっていた
「推測の話だけど…。足が変な癖の歩き方をしていた、怪我かもしれないけど、令嬢があんな所まず怪我をしたりしない」