くじら
「すいません。私、頭冷やします…失礼…っ、きゃ」
先生はぐいっと
私の手を掴んである部屋に入った
「……先生!?」
「何があった?聞くから話せ、…全部」
口調が違う
座った私を見ている、
「でも父様、約束…を」
「いいから。…話したくない?」
優しく聞いた
私は首をふった
先生は私の隣に座った、
「……昴さんから聞いたんです。先生の仕事……榊様の没落は先生の仕業だ、他にも情報を流してるとか、…あと…」
―彼を救うには僕と……
心臓がドキドキしてる
「あと…」
「昴に…婚約者になれと言われたんでしょう?僕を助ける為だとか…」
先生は、ふっと笑った
「……確かに昴は真面目ではありませんが君を好きみたいです」
「わたしは……嫌…です」
昴さんと話しているのは
先生のため。
好意なんて 少しもない
「昴だったら、幸せにします。多分僕より、」
「………」