くじら




「だから君に昴と結婚しろと言ってる訳じゃありません、ただ選択肢の一つとして…」






「…一つとしてですか?」



わたしはうつむいた



気持ちがごちゃごちゃでわからない



先生を助けたい。



どうやって、




昴さんと結婚すれば…?






「……それは先生の本心で言ってるんですか?」




「……」






「……すいません。いま凄く頭が混乱してて、先生の言う事飲み込めないです。」






私は立ち上がりドアにむかった



先生は止めなかった







「本心でこんな事いう訳ないよ。…」





先生は、いつもの笑みを浮かべてる




悲しい…笑み




「……失礼しました。藤堂先生」







ドアを開け、廊下に出た






パタンとドアをしめる


いま












何をどうしたらいいか




わからないまま


全部閉じ込めた






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