くじら
「換わりました、瑠璃子です。綾子さん?」
『えぇ、お久しぶり。じゃあちょっと織人さんにかわるわね…』
織人さん…
『瑠璃子さん?すいません急に電話して…』
「いいえ…、えと避暑のお話?ですか」
『……それと安藤聡子さんの件です、調査の結果を。今から綾子さん家に来れますか』
「はい…」
聡子さんの件…
わたしは
電話を切り支度をした。
「瑠璃子さぁん、久しぶり。…大丈夫?」
「えぇ…、織人さんも…」
綾子さんはどうぞと応接室に案内してくれた
ソファーには織人さんがいた
軽く立ち上がり挨拶した後ソファーに座った
テーブルの上に封筒を出した
「…まず調査の結果からお話します。」
「あ……あの、」
綾子さんもしっかり横に座っている
「綾さんには事情を説明した。一緒に聞いてあげたいらしいから…」
綾子さんはうん、と頷いた
「お願いします…」
「結果からして、安藤聡子さんは暴力を受けてる。夫の光一氏から」
暴力…
「理由は何ですか?」
織人さんは小さな声で言った
「彼女に子どもが…出来ないと分かったからだ。」