くじら


「え……、」






「…後になってその事が分かったらしくて。どうしようもなく暴力を奮ってる…らしい。使用人に聞いたから大筋間違ってない」




淡々と話す織人さん





「それに…経営もちょっと傾いてて、今が正念場だろうな須藤家は。」



「そんな家に聡子さんはお嫁に…」



結婚式で笑っていた聡子さん




「……、安藤と須藤家は昔なじみの家で結婚するのは決まってた事らしい、…」




決まっていた…




「……あまりいい話じゃなくてごめん。瑠璃子さん」



「気になさらないで……」




聡子さん。

先生



綾子さんはキュッとわたしの手を握ってくれた



「……瑠璃子さん、今日家に泊まらない?」


「でも……、」











「…放って置けないの、元気ない瑠璃子さんを、ね?」





「そうしたらいい。病人みたいな顔色をしてる」



「ちょっと織人さん!!」




綾子さんは叫んだ




「……あり…がとう」
< 181 / 370 >

この作品をシェア

pagetop